腐木
ふぼく
名詞
標準
文例 · 用例
それは羊歯類の密生している腐木へかたまってはえているのだ。
— 太宰治 『魚服記』 青空文庫
これを一に腐刑ともいうのは、その創が腐臭を放つがゆえだともいい、あるいは、腐木の実を生ぜざるがごとき男と成り果てるからだともいう。
— 中島敦 『李陵』 青空文庫
彼は随分|疲労れていたので、「どれ一休息」と呟きながら腐木の株へ腰をかけた。
— 国枝史郎 『神州纐纈城』 青空文庫
腐木の洞では山猫が、何かに向かって唸っていた。
— 国枝史郎 『神州纐纈城』 青空文庫
非常に大きな苔むした岩や、自然に倒れた腐木などが、森のあちこちに転がっている。
— 国枝史郎 『南蛮秘話森右近丸』 青空文庫
と、俄然主税の体が、刀をしっかりと握ったまま腐木のように地に仆れた。
— 国枝史郎 『仇討姉妹笠』 青空文庫
二間あまりも走ったが、不意に立ち止まるとブルブルと顫え、持っていた懐刀をポタリと落とし、あたかも腐木が倒れるように、澄江は地上へ俯向けに倒れた。
— 国枝史郎 『剣侠』 青空文庫
雨の夜は腐木が燐火のように燃え、白昼|沼沢地の芦の間では、蟒が野兎を呑んでいたりした。
— 国枝史郎 『あさひの鎧』 青空文庫