瓦全
がぜん
名詞
標準
meaningless existence
文例 · 用例
典膳、号は瓦全の嗣子武彦さんの左近の事を言ふ書は下の如くである。
— 森鴎外 『津下四郎左衛門』 青空文庫
と云ふのがあり、甎全は瓦全としたいところを、平仄の関係で仄字の瓦を避けたのだが、日本人が日本人に読んで貰ふつもりで書かれたものなら、ここなどは平仄の規則を破つて、吾々の耳に慣れた瓦全を用ふる方がよく、それに玉砕に対して瓦全といふ言葉はあるが、甎全などいふ成語はない筈でもある。
— 河上肇 『閑人詩話』 青空文庫
両者相俟って、玉砕を捨て瓦全を取らんとするに至る。
— 豊島与志雄 『小説の内容論』 青空文庫
――批評家の方に就て云えば、瓦全した作品と玉砕した作品との区別がつかなくなる、膚浅な作品と深刻な作品との見分けがつかなくなる。
— 豊島与志雄 『ヒューメーンということに就て』 青空文庫
瓦全よりは玉碎、苟合よりは衝突の方が望ましい。
— 桑原隲蔵 『支那人の妥協性と猜疑心』 青空文庫
併し此の如きは所謂瓦全で、蜀の自殺に外ならぬ。
— 桑原隲藏 『支那史上の偉人(孔子と孔明)』 青空文庫
さうしてその「動物力」の使嗾によつて自分たちの瓦全を何か意味あることのやうに思ひ、且つは君の玉碎を惜み悲しんでゐる。
— 佐藤春夫 『芥川龍之介を哭す』 青空文庫
むかし俳句を少し許りやったときの先達は、山本蕗庵、庄司瓦全、伊藤御春たどの諸氏で尻馬にのせてもらった私は、俳諧の本など一冊も読んだことがなく、『猿蓑集』というものがあることすら知らなかった。
— 長谷川伸 『カン』 青空文庫
作例 · 標準
「信念を曲げてまで瓦全を貪るくらいなら、私はここで潔く身を引く」
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組織の不正に目をつぶり、瓦全を全うする同僚たちの姿に彼は失望した。
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乱世において、名を残すことよりも家族のために瓦全を図る道を選んだ。
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