黒棚
くろだな
名詞
標準
文例 · 用例
黒棚、御廚子、三棚の堆きは、われら町家の雛壇には些と打上り過ぎるであろう。
— 泉鏡花 『雛がたり』 青空文庫
」 と俯目に、睫毛濃く、黒棚の一ツの仕劃を見た。
— 泉鏡太郎 『印度更紗』 青空文庫
」 と力なささうに、疲れたらしく、立姿のなり、黒棚に、柔かな袖を掛けたのである。
— 泉鏡太郎 『印度更紗』 青空文庫
振離すと、床まで落ちず、宙ではらりと、影を亂して、黒棚に、バツと乘る、と驚駭に衝と退つて、夫人がひたと遁構への扉に凭れた時であつた。
— 泉鏡太郎 『印度更紗』 青空文庫
御厨子の前は、縦に二十間がほど、五壇に組んで、紅の袴、白衣の官女、烏帽子、素袍の五人|囃子のないばかり、きらびやかなる調度を、黒棚よりして、膳部、轅の車まで、金高蒔絵、青貝を鏤めて隙間なく並べた雛壇に較べて可い。
— 泉鏡花 『夫人利生記』 青空文庫
振離すと、床まで落ちず、宙ではらりと、影を乱して、黒棚に、バツと乗る、と驚駭に衝と退つて、夫人がひたと遁構への扉に凭れた時であつた。
— 泉鏡花 『印度更紗』 青空文庫
枕許の小さな黒棚に、一|輪挿があつて、撫子が活かつて居ました。
— 泉鏡太郎 『続銀鼎』 青空文庫
黒棚や簾も新たになり、召使ひの数も殖えたのだつた。
— 芥川龍之介 『六の宮の姫君』 青空文庫