玄々
玄々
名詞
標準
文例 · 用例
一行が帰るとき迎えに出た人々は、香以、雁伍(石川甫淳)、余瓶、以白、集雨(玄々真人)以上五人である。
— 森鴎外 『細木香以』 青空文庫
いつもながら、捕物名人と、名宰相とのやりとりは、まこと玄々妙々の腹芸ですが、しかし、ありようしだいを打ち割ってみれば、不思議でもない、不審でもない、名人のいったその、御前のあのなる「あの」は、伊豆守の浪人取り締まり政策を利用しようというのでした。
— 千柿の鍔 『右門捕物帖』 青空文庫
玄々不識の中にわれは「我」を失ふなり。
— 北村透谷 『松島に於て芭蕉翁を読む』 青空文庫
杉本師は、同人としては玄々子と称して居られますが、師は前一寸申上げた通り、相対座して御話して居ると、全く春風に頬を撫でられて居るやうな心持になるのであります。
— 尾崎放哉 『入庵雑記』 青空文庫
数えて申せば関東にては、すなわち、上泉伊勢守、また信州の方面にては、八ヶ岳の麓に閑居する鉄砲の名人として世に名高き、三羽烏玄々斎。
— 国枝史郎 『蔦葛木曽棧』 青空文庫
まことに玄々不思議のその倶係震卦教とやらを、お伝えくださるお覚し召しならば、妾にとりましては虎に翼、有難き仕合わせに存じます」「おお、そういう身の上なら、いよいよもって好都合、これも運命のしからしむるところか、天朝の起こる機運であろう!
— 国枝史郎 『蔦葛木曽棧』 青空文庫
この千家の玄々斎宗室と呼ぶのが藩士の名義になって二百石を受け、側医者の格で居た。
— 内藤鳴雪 『鳴雪自叙伝』 青空文庫
しかして、この霊魂は玄々たる絶対関門のうちにありて存し、吾人の精神の上にその光輝を放つのみ。
— 井上円了 『迷信と宗教』 青空文庫