駆歩
くほ
名詞
標準
文例 · 用例
留守になると、橋手前には腕白盛の滝太一人、行儀をしつけるものもなし、居まわりが居まわりなんで、鼻緒を切らすと跣足で駆歩行く、袖が切れれば素裸で躍出る。
— 泉鏡花 『黒百合』 青空文庫
脚の長い、駆歩に慣れたフランス人にはなかなか及ばない。
— 森鴎外 『堺事件』 青空文庫
江戸で火事があって出掛けるのに、早足の馬の跡を一間とは後れぬという駆歩の達者である。
— 森鴎外 『堺事件』 青空文庫
さて庭を横切って、寺の門を出るや否や、公使を包擁した兵卒は駆歩に移って港口へ走った。
— 森鴎外 『堺事件』 青空文庫
又、彼等は先祖代々|深山幽谷に棲んでいるから、山坂を駆歩くことは普通の人間よりも素捷いであろうし、腕力も亦強いかも知れない。
— 岡本綺堂 『飛騨の怪談』 青空文庫
オギクボ、西オギクボなどといふ小駅を通過して私達は、大きな沼のあるイノカシラといふ処まで半ば駆歩で到達しました。
— 牧野信一 『蔭ひなた』 青空文庫
翌|朝は早く出てブレラの美術館が開くまで市内の各所を駆歩いた。
— 與謝野寛、與謝野晶子 『巴里より』 青空文庫
巴里を去らうとして 羅馬に七日、ナポリとポンペイに二日と云ふ駆歩の旅をして伊太利から帰つて見ると、予が巴里に留まる時日は残り少くなつて居る。
— 與謝野寛、與謝野晶子 『巴里より』 青空文庫