上表紙
うわびょうし
名詞
標準
cover
文例 · 用例
部屋の中央にあるたものちゃぶ台には読みさしの英語の本が開いたまま伏せてあったが、その表紙には反物のたとう紙で綿密に上表紙がかけてあった。
— 有島武郎 『星座』 青空文庫
」 散策子は答えに窮して、実は草の上に位置も構わず投出された、オリイブ色の上表紙に、とき色のリボンで封のある、ノオトブックを、つまさぐっていたのを見たので。
— 泉鏡花 『春昼後刻』 青空文庫
清三もまたおもしろ半分に、小滝を「しら滝」に改めて、それを別号にして、日記の上表紙に書いたり手紙に署したりした。
— 田山花袋 『田舎教師』 青空文庫
「何だい小説か、食道楽じゃねえか」と源さんが聞くと松さんはそうよそうかも知れねえと上表紙を見る。
— 夏目漱石 『琴のそら音』 青空文庫
それはある中篇小説で、上表紙には、まったく訳のわからない画が描いてあり、一種のざらざらした目の荒い紙に、一字一字が、ゴシック風の寺院のように見える字体で、印刷してある。
— TRISTAN 『トリスタン』 青空文庫
明治になって合巻風の草双紙を初めて活版本にしたのは高畠藍泉の『巷説児手柏』、十二年に京橋弥左衛門町の文永閣から出版、以来続々活版本の新刊、貸本屋向きは通俗の講談速記や探偵実話などで、五寸釘寅吉やピストル強盗の類に人気集中、薄汚れた厚紙の上表紙をつけたこれらの貸本は引っ張りだこで借りて行く。
— 山本笑月 『明治世相百話』 青空文庫
作例 · 標準
例句