発性
はつせい
名詞
標準
文例 · 用例
空想を失ってしまった詩人、早発性|痴呆に陥った天才にも似ている!
— 梶井基次郎 『愛撫』 青空文庫
すべての色彩と形が水中へ入れば一律に化生せしめられるように人間のモラルもここでは揮発性と操持性とを失った。
— 岡本かの子 『渾沌未分』 青空文庫
青葉の揮発性の匂いがした。
— 岡本かの子 『金魚撩乱』 青空文庫
ときどき店の奥のスタンドで、玻璃盞にソーダのフラッシュする音が、室内の春の静物図に揮発性を与えている。
— 岡本かの子 『母子叙情』 青空文庫
かの女が、ほのかに匂っているオレンジに塗られたブランデーの揮発性に、けへんけへん噎せながら、デザートのスザンヌを小さいフォークで喰べていると、むす子がのそっと立ち上って握手をして迎える気配がした。
— 岡本かの子 『母子叙情』 青空文庫
木々の若芽の叢が、垂れた房々を擡げてほのかに揮発性の匂いを発散する。
— 岡本かの子 『母子叙情』 青空文庫
粘って青臭い護謨の匂いが、何か揮発性の花の匂いに混って来る。
— 岡本かの子 『河明り』 青空文庫
野には青麦が一面によろ/\と揮発性の焔を立てゝゐた。
— 岡本かの子 『川』 青空文庫