幻辞.com

面の皮

つらのかわ
名詞
1
標準
文例 · 用例
空家に籠つてこの一念(中) Sや、Nを、文学的ルンペンなどと、たつた一ヶ月前まで位、一緒にやつて来た者で、ぬけ/\といふ奴もあるが、そんなのは、いつでも、私が、面の皮をヒン剥いてやる。
葉山嘉樹 遺言文学 青空文庫
たった一日俺もグッスリ眠りてえや」 彼等は足駄を履いて、木片に腰を下して、水の流れる手拭を頭に載せて、その上に帽子を被って、そして、団扇太鼓と同じ調子をとりながら、第三金時丸の厚い、腐った、面の皮を引ん剥いた。
葉山嘉樹 労働者の居ない船 青空文庫
いや、可い面の皮だ。
泉鏡花 婦系図 青空文庫
……面の皮は、雨風にめくれたあとを、幾たびも張替えたが、火事には人先に持って遁げる何十年|以来の古馴染だ。
泉鏡花 陽炎座 青空文庫
また、近頃の色恋は、銀座であろうが、浅草であろうが、山の手新宿のあたりであろうが、つつしみが浅く、たしなみが薄くなり、次第に面の皮が厚くなり、恥が少くなったから、惚れたというのに憚ることだけは、まずもってないらしい。
泉鏡花 燈明之巻 青空文庫
まかり間違うと、鼻持ちならぬキザな虚栄の詠歎に似るおそれもあり、または、呆れるばかりに図々しい面の皮千枚張りの詭弁、または、淫祠邪教のお筆先、または、ほら吹き山師の救国政治談にさえ堕する危険無しとしない。
太宰治 青空文庫
そんな面の皮の厚さが、二寸も三寸もありそうなゴツイ彼等も、自分自身の悪業のため、満洲がいにくゝなる。
黒島傳治 武装せる市街 青空文庫
役員の面の皮を引きむいてやるだけでもどれだけ気味がいゝかしれない。
黒島傳治 土鼠と落盤 青空文庫