営地
えいち
名詞
標準
文例 · 用例
露営地の外では、細長い爬行動物――この谷の主――東俣の川――が、蜿ねりながら太古の森林の、腐れ香に噎んで、どこまで這って行くことであろう。
— 小島烏水 『白峰山脈縦断記』 青空文庫
戸石君に聞き合せると更にはっきりするのであるが、戸石君も已に立派な兵隊さんになっていて、こないだも、「三田さんの事は野営地で知り、何とも言えない気持でした。
— 太宰治 『散華』 青空文庫
おいら五、六人で宿営地へ急ぐ途中、酷く吹雪く日で眼も口もあかねへ雪ン中に打倒れの、半分|埋まつて、ひきつけてゐた婦人があつたい。
— 泉鏡花 『海城発電』 青空文庫
おいら五六人で宿営地へ急ぐ途中、酷く吹雪く日で眼も口もあかねえ雪ン中に打倒れの、半分埋まって、ひきつけていた婦人があったい。
— 泉鏡花 『海城発電』 青空文庫
木の葉どころか、木そのものさえ(宿営地の近傍を除いては)、容易に見つからないほどの、ただ砂と岩と磧と、水のない河床との荒涼たる風景であった。
— 中島敦 『李陵』 青空文庫
露営地へ着いたのは四時頃だったろう。
— 中島敦 『虎狩』 青空文庫
間もなく、第一日の夜営地になる、うつくしい沢地があらわれたのだった。
— 有尾人 『人外魔境』 青空文庫
そんな岡田はある朝、前の野営地に自分の飯盒をおき忘れ、分隊長に両ビンタを食い、その昼、みんなの食事をぼんやり眺めさせられるような刑罰を受けた。
— 田中英光 『さようなら』 青空文庫