荒ら
あばら
形容動詞
標準
文例 · 用例
青い空の色と、若木のねんばりした幼芽を愛する感情とは、まことに私どもの荒らされた畑に殘された、ただひとつの生えざる苗であらねばならぬ。
— 萩原朔太郎 『散文詩・詩的散文』 青空文庫
眼の前には、雁木の凹みのように、小さな峰が分れて、そこから日本アルプスの禿げた頭が、ぐいと出ている、雪の線が二筋三筋ほど、芒に白い斑が入ったように、細く刻まれて、荒ららかな膚に、美しい白紐を引き締めている。
— 小島烏水 『谷より峰へ峰より谷へ』 青空文庫
急坂を登り切らうとする所、村の部落外れに、荒ら屋がある。
— 葉山嘉樹 『氷雨』 青空文庫
ボーイ長は、そのひきずった足のために、再びその神経は、かき荒らされてしまった。
— 葉山嘉樹 『海に生くる人々』 青空文庫
頭髪は長くはないが踏み荒らされた草原のように乱れよごれ、顎には虎髯がもじゃもじゃ生えている。
— 寺田寅彦 『小さな出来事』 青空文庫
せっかく美しく出揃った若葉はいつの間にかわるい昆虫のために食い荒らされる。
— 寺田寅彦 『蜂が団子をこしらえる話』 青空文庫
去年はよく咲いたクリーム色のばらも今年はこのためにひどく荒らされてしまった。
— 寺田寅彦 『蜂が団子をこしらえる話』 青空文庫
また作物を荒らす有害な野鼠や虫類なども捕って食うので農夫にとっては非常に有益なものだそうな。
— 寺田寅彦 『話の種』 青空文庫