葡萄鼠
ぶどうねずみ
名詞
標準
reddish grey (colour)
文例 · 用例
何と籠つた葡萄鼠の曇。
— 北原白秋 『白帝城』 青空文庫
七年忌には金百円、幕|一帳男女名取中、葡萄鼠縮緬幕女名取中、大額|並黒絽夢想袷羽織勝久門弟中、十三年忌が三世の七年忌を繰り上げて併せ修せられたときには、木魚一対墓前|花立並綫香立男女名取中、十七年忌には蓮華形皿十三枚男女名取中の寄附があった。
— 森鴎外 『渋江抽斎』 青空文庫
森の梢には巨人が帽を脱いで首を出したように赤煉瓦の煙筒が見えて、ほそほそと一たび高く静かな空に立ち上った煙は、また横にたなびいて傾く月の光に葡萄鼠の色をした空を蛇窪村の方に横切っている。
— 白柳秀湖 『駅夫日記』 青空文庫
三月の二十七日に新吉が例の通り墓参りをして出に掛ると、這入って来ました婦人は年の頃二十一二にもなりましょうか、達摩返しと云う結髪で、一寸いたした藍の万筋の小袖に黒の唐繻子の帯で、上に葡萄鼠に小さい一紋を付けました縮緬の半纏羽織を着まして、其の頃|流行った吾妻下駄を穿いて這入って来る。
— 三遊亭圓朝 『真景累ヶ淵』 青空文庫
皆さん、これを御覧なさい」 自分が今まで横になって居たらしい、美保子の寝台に近付いて、枕を除けて白い敷布を剥ぐと、丁度首の当るあたりに、長々と葡萄鼠の絹紐が引かれてあります。
— 野村胡堂 『悪魔の顔』 青空文庫
黒貂の外套を脱ぐと、目もさめるような葡萄鼠の洋装、絹靴下が暗示する、美しい肉体の線も、まだ決して盛りを過ぎた年ではありません。
— 野村胡堂 『呪の金剛石』 青空文庫