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鑽仰

さんぎょう
名詞
1
標準
文例 · 用例
が、そのやりかたは、古典作家、たとえばドストイェフスキーなどが癲癇という独特な病気をもちながら、彼の生きた時代のロシアの歴史の制約性と、自身の限界性によって描いた作品をそれなり随喜鑽仰することではない。
宮本百合子 新年号の『文学評論』その他 青空文庫
その引き続きとして、此歌は漠然たる鑽仰のめどに立って居る。
折口信夫 歌の円寂する時 青空文庫
旦に稽古の窓に凭れば、垣を掠めて靡く霧は不斷の烟、夕に鑽仰の嶺を攀づれば、壁を漏れて照る月は常住の燭、晝は御室、太秦、梅津の邊を巡錫して、夜に入れば、十字の繩床に結跏趺坐して※阿の行業に夜の白むを知らず。
高山樗牛 瀧口入道 青空文庫
たとえ無料で施しのための湯であるとはいえ、何かそこには辞儀と挨拶がなければなるまいに、このお婆さんの態度が無遠慮なのは、故意にするわけではなく、多分、与八の人相そのものを鑽仰することに急で、挨拶の方も、お礼の方もお留守になっているうちに、すっかり忘れてしまったものでしょう。
恐山の巻 大菩薩峠 青空文庫
しかしお婆さんは、最初のうちは、与八の人相の引合いとして三志様なるものを持ち出したのですが、今は、与八の人相はそっちのけになって、鳩ヶ谷の三志様の鑽仰で持切りになってしまいました。
恐山の巻 大菩薩峠 青空文庫
都から帰って来たこの兄には、自分たちには、量り知れない新知識が備わり、充分な人生体験と、将来の抱負もあるものと、鑽仰していた。
吉川英治 平の将門 青空文庫
あれは……」と、仰山に、鑽仰の所作をよろしく演じて、「――まさしく、八幡大菩薩」と、ひれ伏した。
吉川英治 平の将門 青空文庫
月日が過ぎれば過ぎるほど昔を恋しく思ったりすることは何にもならぬむだなことであると情けなく姫君は思い、阿弥陀仏を讃仰することに紛らせ、平生よりも物数を言わずにいた。
夢の浮橋 源氏物語 青空文庫