秋景
しゅうけい
名詞
標準
文例 · 用例
俳句の全然わからなかったらしいチャンバーレン氏の言ったように、それはただ油絵か何かの画題のようなものに過ぎなくなり、芭蕉の有名な句でも「枯れ枝にからすのいる秋景」になってしまうであろう。
— 寺田寅彦 『俳諧の本質的概論』 青空文庫
上野公園の秋景色、彼方此方にむらむらと立|駢ぶ老松奇檜は、柯を交じえ葉を折重ねて鬱蒼として翠も深く、観る者の心までが蒼く染りそうなに引替え、桜杏桃李の雑木は、老木稚木も押なべて一様に枯葉勝な立姿、見るからがまずみすぼらしい。
— 二葉亭四迷 『浮雲』 青空文庫
それにこの集の「葛飾閑吟集」の新作のあるものは、たとへば蛍四章の「昼」、「揚羽蝶」左の「庭前秋景」の二首などは愈々象徴に入り得たものと信じてゐる。
— 北原白秋 『雀の卵』 青空文庫
澄みきつた空に朝月の清けさ、うつくしい秋景色。
— 種田山頭火 『其中日記』 青空文庫
桂月氏の人間観は、従つて『秋景山水』のやうな自然の中にポツリと立つてゐる。
— 美術論・画論 『小熊秀雄全集−19−』 青空文庫
アリゾナの沙漠も、もうすっかり秋景色です。
— 牧逸馬 『アリゾナの女虎』 青空文庫
(十月×日) 窓外は愁々とした秋景色である。
— 林芙美子 『新版 放浪記』 青空文庫
十月×日 窓外は愁々とした秋景色。
— 林芙美子 『放浪記(初出)』 青空文庫