市井の人
しせいのひと
表現名詞
標準
townspeople
文例 · 用例
ある一つの市井の人事現象、たとえばある銅像の除幕式の光景の報道という場合の実例について考えてみる。
— 寺田寅彦 『ニュース映画と新聞記事』 青空文庫
それから、その次にレンズを動かしたはずみに、大ぜいの市井の人々の姿が映りました、その中に、ふと私は非常に綺麗な娘さんの顔を見つけました。
— 渡辺温 『風船美人』 青空文庫
)田園や市井の人々には古今の天才たちよりも「生活者」の美徳を具へてゐるものも多いであらう。
— 芥川龍之介 『文芸的な、余りに文芸的な』 青空文庫
武家にあっては武士道の義理、市井の人には世間の義理である。
— 長谷川時雨 『竹本綾之助』 青空文庫
又、直次郎や、新三や、さうかと思ふと梅吉(加賀鳶)・佐七の、小善小悪にあがく市井の人々になつたのか。
— 折口信夫 『市村羽左衛門論』 青空文庫
パジェスによれば「すくなくとも五百余名の切支丹が彼をかくまった容疑で死刑になった」そうであるが、そういう市井の人情に目をくれない魔王のような野性がありますな。
— 長崎チャンポン――九州の巻―― 『安吾の新日本地理』 青空文庫
夫人はいささかヒステリー的でいらせられるらしいが、一人ぎめの人生観が硬化状態にあって、ユーモアを解し、市井の人情を解する柔軟性がない。
— その二 大岡越前守 『安吾人生案内』 青空文庫
巷間いたるところにこれ式の酔漢の愛情を見かけることのできる性質のもので、当時二十九という小娘とちがって立派な成人でありながら、ありきたりの市井の人情風俗に知識も理解もないのが淋しいねえ。
— その二 大岡越前守 『安吾人生案内』 青空文庫