庭掃き
にわはき
名詞
標準
文例 · 用例
へい、私は仙介という者で」 などお三どんや仲働きや、庭掃きの爺やにまで愛嬌を振り撤いた。
— 国枝史郎 『十二神貝十郎手柄話』 青空文庫
「如何にそなたが美くしいとて、その黒髪に霜が置き、玉の額に傷があらわれ、眼落ち凹み、歯がまばらになるならば、あの庭掃きとあまり変らずなるであろう――それまでがそなたのいのちじゃ」 呉羽之介は、熱い息を、炎を吐くように苦しげについて、じッと自分の絵すがたをみつめながら、わななくこえで申しました。
— 三上於兎吉 『艶容万年若衆』 青空文庫
小間使いに下働きに飯たき婆さんに、庭掃き爺さんに下男一人二人。
— 国枝史郎 『猫の蚤とり武士』 青空文庫
室の掃除や、雑巾がけや、庭掃き……。
— 豊島与志雄 『女客一週間』 青空文庫
平安朝にはもう、むちやくちやになつて、庭掃きの者に至るまで「殿守の伴のみやつこ」などゝ言ふ様になつて了うた。
— 折口信夫 『大嘗祭の本義』 青空文庫
生活難が今日の如く甚しくなかった十数年前には、学僕と称して、庭掃きや使い歩きくらいで生活したほか、勉学の費用まで与えられ、それで成功したものもまれにはあったが、今日の世の中はその時代よりも幾層倍せちがらくなって、堂々たる学士や紳士たちさえ、ただ糊口のために汲々たる有様となった。
— 相馬愛蔵 『私の小売商道』 青空文庫
年若い友達はみな私の庭掃きや、水撒きを根気好く眺め、仕事の済むまで残酷に手伝ってはくれなかった。
— 室生犀星 『我が愛する詩人の伝記』 青空文庫
そんな時、立原が庭に現われると私は黙って、年若いために友達をないがしろにして、打っちゃらかしにして庭掃きを急いだ。
— 室生犀星 『我が愛する詩人の伝記』 青空文庫