帳下
ちょうか
名詞
標準
文例 · 用例
繍帳下部のほうに、法隆寺金堂や玉虫厨子を思わせる様式の鐘楼があって、この中に緑の衣に紅い袈裟をつけた僧侶がいる。
— 矢田津世子 『※女抄録』 青空文庫
足駄はいて傘背負い奉賀帳下げて歩くは大津絵の鬼にして絞の浴衣に足駄はいて来るは猫。
— 永井荷風 『偏奇館漫録』 青空文庫
オイ誰か緞帳下ろし」 さすがの席亭が音を上げて言われるままの金を貸し与えた。
— 正岡容 『寄席』 青空文庫
小翠は戸を閉めて、また元豊を扮装さして項羽にしたて、呼韓耶単于をこしらえ、自分はきれいな着物を着て虞美人に扮装して帳下の舞を舞った。
— 蒲松齢 『小翠』 青空文庫
嗚呼陣頭にあらはれて敵とまた見ん時やいつ、祁山の嶺に長驅して心は勇む風の前、王師たゞちに北をさし馬に河洛に飮まさむと願ひしそれもあだなりや、胸裏百萬兵はあり帳下三千將足るも彼れはた時をいかにせむ。
— 土井晩翠 『天地有情』 青空文庫
相手が熱心なので、『伊勢物語』風の歌ででもあるのかと、心をときめかせながらあけて見ると、案外にも青き薄様に「蘭省花時錦帳下」[蘭省の花時、錦帳の下]という白楽天の句を書いて、「末はいかに」とある。
— 和辻哲郎 『日本精神史研究』 青空文庫
一例だけ挙げて置けば、蘭省に花の匂ふ時錦の帳をぞ思ひやる香炉峯の夜の雨に草の菴は静かにては有名な白楽天の蘭省花時錦帳下 盧山雨夜草菴中である。
— 風巻景次郎 『中世の文学伝統』 青空文庫
緞帳下りるや、渋沢会長が舞台へ来て呉れて、皆に一言挨拶をして呉れた、品のいゝ言葉であった。
— 昭和十五年 『古川ロッパ昭和日記』 青空文庫