花の顔
はなのかんばせ異読 はなのかお
名詞多音語
標準
lovely face
文例 · 用例
巌窟の聖人は酒杯を得て、奥山の松の戸ぼそを稀に開けてまだ見ぬ花の顔を見るかな と言って泣きながら源氏をながめていた。
— 若紫 『源氏物語』 青空文庫
気をめいらせて泣いている時のほうが多い末摘花の顔は、一つの木の実だけを大事に顔に当てて持っている仙人とも言ってよい奇怪な物に見えて、異性の興味を惹く価値などはない。
— 蓬生 『源氏物語』 青空文庫
紋羽二重の小豆鹿子の手絡したる円髷に、鼈甲脚の金七宝の玉の後簪を斜に、高蒔絵の政子櫛を翳して、粧は実に塵をも怯れぬべき人の謂ひ知らず思惑へるを、可痛しの嵐に堪へぬ花の顔や、と群集は自ら声を歛めて肝に徹ふるなりき。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
嬋娟たる花の顔ばせ、耳の穴をくじりて一笑すれば天井から鼠が落ち、鬢のほつれを掻き立てて枕のとがを憾めば二階から人が落ちる。
— 鼠に関する民俗と信念 『十二支考』 青空文庫
そのうちに、紅と藍色とのまじったものを基調の色素にして瑠璃にも行けば柿色にも薄むらさきにも行き、その極は白にも行くような花の顔がほのかに見えて来る。
— 島崎藤村 『秋草』 青空文庫
そのうす暗がりに浮んでゐる、半ば仰向いた金花の顔は、色もわからない古毛布に、円い括り顋を隠した儘、未に眠い眼を開かなかつた。
— 芥川龍之介 『南京の基督』 青空文庫
すなわちその子房らしいところは花の顔すなわち花被になっている萼の下に続く部の括びれたところで、それはやや質の厚い筒をなした花托なのである。
— 牧野富太郎 『植物一日一題』 青空文庫
ひとにばかり附合わして置いてさ」 といったものの流石に心配になったものか、花の顔を覗き込むようにし、「ほんとにどうしたというんだろう。
— 久生十蘭 『魔都』 青空文庫
作例 · 標準
彼女の、春の花々のように明るく輝く顔立ちは、見る人の心を和ませる花の顔であった。
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彼女の顔は、まるで美術品のような繊細さで、まさに花の顔と呼ぶにふさわしかった。
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「あの人の顔、花の顔みたいで、すごくきれい。」
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