妙音
みょうおん
名詞
標準
exquisite voice
文例 · 用例
日本の民衆音楽中でも、歌詞を主としない、純粋な器楽に近いものとしての三曲のごときも、その表現せんとするものがしばしば自然界の音であり、また楽器の妙音を形容するために自然の物音がしばしば比較に用いられる。
— 寺田寅彦 『日本人の自然観』 青空文庫
これを自分の現在の場合の言葉に翻訳すると、「研究の手首を柔らかくして、実験の弓で自然の弦線の自然の妙音を引き出せばよい」とも言われるであろう。
— 寺田寅彦 『「手首」の問題』 青空文庫
内閣にしてもその閣僚の一人一人がいかに人間として立派な人がそろっていても、その施政方針がいかに理想的であっても、為政の手首が堅すぎては国運と民心の弦線は決して妙音を発するわけには行かないのではないか。
— 寺田寅彦 『「手首」の問題』 青空文庫
妙音観世音 梵音海潮音 観音の有難さ、それは潮の音のごとく大きくひたひたと押し寄せる。
— 岡本かの子 『仏教人生読本』 青空文庫
あはれ、妙音海潮音の海の色もこゝに澄み、ふりあふぐ山懐に、一叢しげれるみどりの草の、蛍の光も宿すべく、濡色見えて暗きなかに、山の端分くる月かとばかり、大輪の百合唯一つ真白きが、はつと揺らぎて薫りしは、此の寂さに拍手の、峰にや響き候ひけん。
— 泉鏡花 『逗子より』 青空文庫
書生さんは受け取って私の顔をチラリと見たが、私の眼の前で風呂敷を解くと中味は杉折りを奉書に包んだもので黒の水引がかかっていて、その上に四角張った字で「妙音院高誉靖安居士……七回忌」と書いた一寸幅位の紙切が置いてあった。
— 夢野久作 『あやかしの鼓』 青空文庫
ヲサナイ歌モ多カラウ「いいえ、すがたは爽やか、しらべは天然の妙音、まことに眼のさめる思ひのお歌ばかりでございまするが、おゆるし下さりませ、無頼の世捨人の言葉でございます、嘘をおよみにならぬやうに願ひまする。
— 太宰治 『右大臣実朝』 青空文庫
忽ち寺の内に遠波のごとき、奇しき妙音楽起る。
— 木下杢太郎 『南蛮寺門前』 青空文庫
作例 · 標準
彼女の歌声はまるで妙音のようで、聴く人を魅了した。
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楽器から奏でられる妙音に、会場全体が静まり返った。
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森の奥深くで、鳥たちが妙音を響かせている。
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