歓会
かんかい
名詞
標準
文例 · 用例
夜というものは声を大きく響かせるから、そんなに泣かないで」 と源氏は右近に注意しながらも、恋人との歓会がたちまちにこうなったことを思うと呆然となるばかりであった。
— 夕顔 『源氏物語』 青空文庫
だれもが敬愛しておかしずきしていることはこうした微行のお遊びの際にもいかめしくうかがわれる宮を、年に一度の歓会しかない七夕の彦星に似たまれな訪れよりも待ちえられないにしても、婿君と見ることは幸福に違いないと思われた。
— 総角 『源氏物語』 青空文庫
不忍の晩涼青春老い易し、さきの日の歓会いづくにかあるさ緑のまろき波、みな、蓮の葉。
— 北原白秋 『海豹と雲』 青空文庫
消え去り難き幽霊の芥子の緑に泣くごとく、裏切したる歓会の醒めて哀しきわが心。
— 北原白秋 『緑の種子』 青空文庫
真実、珈琲から珈琲の煙が立つやうに内心の深みから素直に心の吐息を掻き立たせてその融合渾沌のさかひに怪しい芸術の矜持と魔力とを物静かに薫らし得る純一な詩人の歓会はまた何にもかへがたい真言秘密の妙諦である。
— 北原白秋 『桐の花』 青空文庫
数万年に一度の歓会なりといふ。
— 北原白秋 『白南風』 青空文庫
真女児が出て来て、酒や菓子を出してもてなしてくれたので、喜しき酔ごこちに歓会を共にした。
— 雷峯怪蹟 『蛇性の婬』 青空文庫
しかるところ相師あり、衆と同じく往き観て諸人に語る、この女後まさに五百男子と歓愛せんと、衆曰くかかる尤物は五百人に愛さるるも奇とするに足らずと、三七日経て長者大歓会を為し、彼女を妙光と名づけた。
— 田原藤太竜宮入りの話 『十二支考』 青空文庫