トタン
トタン
名詞頻度ランク #35773 · 青空 620 例
標準
corrugated iron
文例 · 用例
そのほか寿司の屋台が出てゐる日があり、今日はそれは見えなかつたが、四五本の柱にトタン屋根を張つた、一時拵への氷店が出来てゐた。
— 中原中也 『古本屋』 青空文庫
こんなにフケが落ちる、 秋の夜に、雨の音はトタン屋根の上でしてゐる。
— 中原中也 『暗い天候』 青空文庫
右手の車庫のトタン屋根に雀が二羽、一羽がちょんちょんと横飛びをして他の一羽に近よる。
— 寺田寅彦 『病院風景』 青空文庫
浴後の茶漬も快く、窓によれば驟雨沛然としてトタン屋根を伝う点滴の音すゞしく、電燈の光地上にうつりて電車の往きかう音も騒がしからず。
— 寺田寅彦 『東上記』 青空文庫
プロレタリアの群居街からは、ユラユラとプロレタリアの蒸焼きの煙のような、見えないほてりが、トタン屋根の上に漂うていた。
— 葉山嘉樹 『生爪を剥ぐ』 青空文庫
永い間雨曝しになつて居るらしい鐵の構造物はすつかり赤錆がして、それが青いトタン屋根と美しい配合を示して居る。
— 寺田寅彦 『寫生紀行』 青空文庫
可笑しいことには、古来の屋根の一型式に従ってこけら葺の上に石ころを並べたのは案外平気でいるそのすぐ隣に、当世風のトタン葺や、油布張の屋根がべろべろに剥がれて醜骸を曝しているのであった。
— 寺田寅彦 『颱風雑俎』 青空文庫
明治大学前に黒焦の死体がころがっていて一枚の焼けたトタン板が被せてあった。
— 寺田寅彦 『震災日記より』 青空文庫