来不
らいふ
名詞
標準
文例 · 用例
従来不可解の疑問たる万有引力なるものもまた光との間になんらかの連鎖をほのめかしているのである。
— 寺田寅彦 『物質とエネルギー』 青空文庫
しかしこういう場合でも、一方では音の方向知覚というものの本来不確実なために、また一方では劇場の複雑な反響のために、なおその上に、視像の暗示にだまされる錯覚のために、実際はたいした不都合は感じないかもしれない。
— 寺田寅彦 『耳と目』 青空文庫
アスランでもビッシェルでも、出来不出来は別として、やはりその人の絵になっていると思う。
— 寺田寅彦 『二科会展覧会雑感』 青空文庫
元来不幸といひ、窮苦といひ、艱難辛苦といふもの、皆我を我としたる我を以て、他に――社会に――対するより起る処の怨言のみ。
— 泉鏡花 『愛と婚姻』 青空文庫
前方に些とも無理はねえ、気に入るも入らぬもの……出来不出来は最初から、お前様の魂にあるでねえか。
— 泉鏡太郎 『神鑿』 青空文庫
「四十年前少壮時、功名聊復自私期、老来不識干戈事、只把春風桃李巵」なぞと太平の世の好いお爺さんになってニコニコしながら、それで居て支倉六右衛門、松本忠作等を南蛮から羅馬かけて遣って居るところなどは、味なところのある好い男ぶりだ。
— 幸田露伴 『蒲生氏郷』 青空文庫
従来不健康で有った人ならば不健康は一切の良くない事の因だから、自分を新にして健康体にしなければならないと思うのである。
— 幸田露伴 『努力論(現代訳)』 青空文庫
もし従来不健康の為に甚だ不利を受けていると思う人があったなら、是非共その人は自分を新にして健康にならなければならないのだが、さて、本当に自分を新にしようと思ったなら、昨日までの自分の身体の取扱方を断然と改めなければならないのである。
— 幸田露伴 『努力論(現代訳)』 青空文庫