とも無しに
ともなしに
表現
標準
somehow
文例 · 用例
舟端で聞くとも無しに此の話を聞いて居た、女賊白狐のおしまが、そッと微笑んだ。
— 山中貞雄 『武蔵旅日記』 青空文庫
併しおまきの家のなかの猫の啼き声はやはり絶えないので、誰が云い出したとも無しに、彼女は近所の口の悪い人達から猫婆という綽名を与えられてしまった。
— 猫騒動 『半七捕物帳』 青空文庫
あたりはだんだんに薄暗くなって、どこからとも無しに藪蚊のうなり声が湧き出して来たので、半七は舌打ちした。
— 鬼娘 『半七捕物帳』 青空文庫
「さあ、そうやっていつの間にやら現とも無しに、こう、その不思議な、結構な薫のする暖い花の中へ柔かに包まれて、足、腰、手、肩、頸から次第に天窓まで一面に被ったから吃驚、石に尻餅を搗いて、足を水の中に投げ出したから落ちたと思うとたんに、女の手が背後から肩越しに胸をおさえたのでしっかりつかまった。
— 泉鏡花 『高野聖』 青空文庫
父子はここに腰を卸して、見るとも無しに瞰上げると、青い大空を遮る飛騨の山々も、昨日今日は落葉に痩せて尖って、宛ら巨大なる動物が肋骨を露わした様にも見えた。
— 岡本綺堂 『飛騨の怪談』 青空文庫
」と、市郎は返事に困って、思わず父の方を顧ると、安行は小半町ばかり先の木蔭に立って、此方を凝と見詰めているので、市郎は何とも無しに赤面した。
— 岡本綺堂 『飛騨の怪談』 青空文庫
※の噂が何となく意に関ったのであろう、彼女は他ながら恋人の様子を探ろうとして、行くとも無しに角川家の門前まで来て了った。
— 岡本綺堂 『飛騨の怪談』 青空文庫
雨はますます降って来たので、彼は唯ある大きな岩蔭に隠れて、眠るとも無しに一夜を明かした。
— 岡本綺堂 『飛騨の怪談』 青空文庫
作例 · 標準
テレビを付けるとも無しに眺めていたら、ふと懐かしいニュースが流れた。
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散歩中に誰に聞くとも無しに独り言を呟いて、自分自身の考えを整理した。
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授業中、窓の外を眺めるとも無しに見ていたら、珍しい鳥が飛んでいるのに気づいた。
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