胆太
たんふとし
名詞
標準
文例 · 用例
胆太き若者はずかずかと寄りて眼定めて見たり。
— 国木田独歩 『源おじ』 青空文庫
慧鶴はそれで饑を凌ぎながら胆太く自分と富士の運命を見届けにかかった。
— 岡本かの子 『宝永噴火』 青空文庫
その様子に胸先ず安く、遂に調金の事を申し出でしに、図らざりき感嘆の体と見えしは妾の胆太さを呆れたる顔ならんとは。
— 福田英子 『妾の半生涯』 青空文庫
到底|喉を下るまじと思いしに、案外にも味わい旨くて瞬間に喫べ尽しつ、われながら胆太きに呆れたり。
— 福田英子 『妾の半生涯』 青空文庫
神ぞ居れ、喚び哭く、冥き神、しや、童、速須佐之男、大天や高天原、日は治らせ、大日※貴、さもこそや夜之食国、夜は治らせ、月よ月読、海原、吾はえ治らさじ、言依させ、吾は聴かじ、神柄ぞ、暴ぶる神、胆太の眦裂くと、言挙ぐと、泣きいさち、抗ふと、おぞえ吼え立つ。
— 北原白秋 『新頌』 青空文庫
」と、双手にわらんべをかい抱いて、日頃の如く肩へのせると、例の太杖をてうとついて、岸べの青蘆を押し分けながら、嵐に狂ふ夜河の中へ、胆太くもざんぶと身を浸いた。
— 芥川龍之介 『きりしとほろ上人伝』 青空文庫
飛行船外の国より胆太にそつと降りたる飛行船、夜の間に去れば跡も無し。
— 與謝野晶子 『晶子詩篇全集』 青空文庫
オペラ眼鏡を目にあてて、空を踏まへた胆太の若い乗手を見上ぐれば、少し捻つた機体からきらと反射の金が散る。
— 與謝野晶子 『晶子詩篇全集』 青空文庫