攻
こう
名詞
標準
文例 · 用例
しかしながらまた目の前の母が、悔悟の念に攻められ、自ら大罪を犯したと信じて嘆いている愍然さを見ると、僕はどうしても今は民子を泣いては居られない。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
奈良朝においては、以上八十七の音が区別され、当時の言語は、これらの諸音から成立っていたのであるが、それでは、これらの諸音の奈良朝における実際の発音はどんなであったかというに、これは到底直接に知ることは出来ないのであって、種々の方面から攻究した結果を綜合して推定するのほかない。
— 橋本進吉 『国語音韻の変遷』 青空文庫
そこでフロイドの説の如く、人はその日常生活で抑壓され、ふだんに内攻してゐる性の欲求を、おのづから夢の中に變貌して表象する。
— 萩原朔太郎 『夢』 青空文庫
最近の氏には、今までにない内攻する苦悶が見える。
— 萩原朔太郎 『純情小曲集』 青空文庫
実に高蹈派と自然主義とは、芸術の本質点で聯盟されたる、浪漫派への正面攻撃の敵であったのだ。
— 萩原朔太郎 『詩の原理』 青空文庫
先日も北原白秋氏宅で小会のあった時、同席した竹友|藻風氏が、僕の詩論について反対の攻撃を向けられたが、その意味から推察すると、まるで僕を誤解されてるのに驚いた。
— 萩原朔太郎 『詩の原理』 青空文庫
それで「近代風景」の小会に列席すると、僕はまるで四面攻撃の中心点に立ってるようで、八方から詩論について非難されるが、僕としては、いつも意外の感に耐えないのである。
— 萩原朔太郎 『詩の原理』 青空文庫
ところで僕のいちばん攻撃したいのは、この種の「誤つた便利主義」「淺薄な實利主義」なのである。
— 萩原朔太郎 『ローマ字論者への質疑』 青空文庫