慫
慫
名詞
標準
文例 · 用例
「東国では、あなたが、あの偉大な山の祖慫神さまの一番の孫なのですよ」と。
— 岡本かの子 『富士』 青空文庫
祖父の偉れた点を語ることは、また、その孫娘に偉れることを慫慂することでもあった。
— 岡本かの子 『富士』 青空文庫
中では、わたくしに向って、「あたしの身体は臭いだろ、しばらくあっちへ行ってゝもいいよ」 と暗に、わたくしに遠慮することを慫慂して、その間に信玄袋の中に何か出し入れして仕末したり、感慨にふけったりする所作もありました。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
実際に自分は暗に慫慂したやうな態度を示して居たからである。
— 平出修 『計画』 青空文庫
實際に自分は暗に慫慂したやうな態度を示して居たからである。
— 平出修 『計畫』 青空文庫
結局、郷土史の研究でその業績を廣く認められてゐる上原が、慫慂されて、その任に就くことになつたが、上原は彼一流の綿密さでプランを立てて見て、五ヶ年の繼續事業とするなら引き受けようと云つた。
— 島木健作 『續生活の探求』 青空文庫
勿論學校からも、屡ゝ彼に博士論文を提出するやうに慫慂するのであツたけれども、學士は、「博士論文を出して誰に見て貰ふんだ。
— 三島霜川 『解剖室』 青空文庫
斎の西遊を慫慂して、「長崎は一とほり見ておきたき処也」と云つた。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫