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鈍々

鈍々
名詞
1
標準
文例 · 用例
曇った鏡が人を映すように男は鈍々と主人を見上げた。
幸田露伴 雪たたき 青空文庫
叔母といふ人は、今になつて考へて見ても随分好い感じのしない女で、尻の大きい、肥つた、夏時などは側へ寄ると臭気のする程無精で、挙動から言葉から、半分眠つてる様な、小児心にも歯痒い位|鈍々してゐた。
石川啄木 刑余の叔父 青空文庫
太鼓ノ鈍々タルハ稲荷ヲ祭ル也。
成島柳北 阿房山賦 青空文庫
去年の夏、私は同じ場所に立ってハイカラな街だという印象を受けたのだが、今は薄暮の鈍々しさも手伝って、バスも電車も家並も、ただ古ぼけて侘しく見えるばかりだった。
大鹿卓 金山※話 青空文庫
その鈍々しい眩しさが、かえって脳に鬱陶しかった。
大鹿卓 渡良瀬川 青空文庫
そして彼自身はまた、やがて場末の辻から繁華な大通りのほうへ鈍々として歩きだしていた。
吉川英治 新・水滸伝 青空文庫
また、こういう妻には、こういう良人が、よく配偶されているように、強右衛門は、世俗でいう「気ばたらき」の至ってない、鈍々として、ただ真正直が取柄だといわれるような性格だった。
第五分冊 新書太閤記 青空文庫
巨きくて、鈍々と、しかし決して後へは退かない牛の脚である。
吉川英治 親鸞 青空文庫