漁舟
ぎょしゅう
名詞
標準
small fishing boat
文例 · 用例
百尺岩頭燈台の白堊日にかがやいて漁舟の波のうちに隠見するもの三、四。
— 寺田寅彦 『東上記』 青空文庫
漁舟江心に向かいてこぎ出せば欸乃風に漂うて白砂の上に黒き鳥の群れ居るなどは『十六夜日記』そのままなり。
— 寺田寅彦 『東上記』 青空文庫
黒く静かな入江には、漁舟が四五艘動かずに浮いていた。
— 黒島伝治 『「紋」』 青空文庫
大江の上には帆走っているやや大きい船もあれば、篠の葉形の漁舟もあって、漁人の釣しているらしい様子も分る。
— 幸田露伴 『観画談』 青空文庫
大江の上には帆走つてゐるやゝ大きい船もあれば、篠の葉形の漁舟もあつて、漁人の釣して居るらしい様子も分る。
— 幸田露伴 『観画談』 青空文庫
第三日の午後富之助は鹿田と伴つて、漁舟を借りて釣に行つた。
— 木下杢太郎 『少年の死』 青空文庫
而して前には城ヶ島の緑が横たはり、通り矢とその間の五丁にも足らぬ海峡を小蒸汽が来、渡海船が通り、余多の漁舟が漕ぎつれて行く、而して遠くは煙霞の間に房州の山をのぞみ、欧洲航路の汽船軍艦はいつも煙を曳いてこの眺望の中を消えて行つたなど、全く明快な近代劇の舞台面であつた。
— 北原白秋 『雲母集』 青空文庫
止まること數日、たま/\天曇りて海氣濛々たり、漁舟皆河口よりかへりぬ。
— 長塚節 『長塚節歌集 中』 青空文庫