生津
せいしん
名詞
標準
文例 · 用例
前夜、福井に一泊して、その朝六つ橋、麻生津を、まだ山かつらに月影を結ぶ頃、霧の中を俥で過ぎて、九時頃武生に着いたのであった。
— 泉鏡花 『栃の実』 青空文庫
氷見鯖の塩味、放生津鱈の善悪、糸魚川の流れ塩梅、五智の如来へ海豚が参詣を致しまする様子、その鳴声、もそっと遠くは、越後の八百八後家の因縁でも、信濃川の橋の間数でも、何でも存じておりますから、はははは。
— 泉鏡花 『湯女の魂』 青空文庫
四 鮎の大きいのは越中の自慢でありますが、もはや落鮎になっておりますけれども、放生津の鱈や、氷見の鯖より優でありまするから、魚田に致させまして、吸物は湯山の初茸、後は玉子焼か何かで、一|銚子つけさせまして、杯洗の水を切るのが最初。
— 泉鏡花 『湯女の魂』 青空文庫
然るに遠田郡の北境|小里村と、登米郡|赤生津村とに地境の争があつた。
— 森鴎外 『椙原品』 青空文庫
江戸時代に発見せられた天野告門を読んだ人は、丹生津媛の杖を樹てたあちこちの標山が、皆丹生の名を持つてゐるのに、気が附いたことであらう。
— 折口信夫 『稲むらの蔭にて』 青空文庫
高野山の地主神|丹生津姫神は、空海によって高野明神として祀られている。
— その一例として飛騨の牛蒡種 『憑き物系統に関する民族的研究』 青空文庫
弘法大師が高野山を開くや、これも地主神たる丹生津媛神を守護神としてその山に祭る。
— 喜田貞吉 『オシラ神に関する二三の臆説』 青空文庫
福井県|丹生郡|越廼村蒲生津は日本海沿岸の漁村中でも大部落であるが、ここでは今でも泣女を雇う習俗がある。
— 中山太郎 『本朝変態葬礼史』 青空文庫