一も二もなく
いちもにもなく
副詞
標準
unhesitatingly
文例 · 用例
私はその時も、彼の渡支に就いての論説に一も二もなく賛成した。
— 太宰治 『佳日』 青空文庫
昔は芥川君と芭蕉論を闘わし、一も二もなくやッつけてしまったのだが、今では僕も芭蕉ファンの一人であり、或る点で蕪村よりも好きである。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
姉の確りしたところで、いつも気を引立てられている勝気にも性の弱い弟は、この秘密で冒険な行旅を、姉の敢行力の庇に在って、共々、行い味われたので、一も二もなく賛成した。
— 岡本かの子 『富士』 青空文庫
しかも室生君の藝術そのものに對しては、一も二もなく敬服すると言つて嘆賞してゐる。
— 萩原朔太郎 『悲しき決鬪』 青空文庫
君は「教育」とか「文明」とかいふ語に對しては、盲目的に一も二もなく恐れ入つて居た。
— 萩原朔太郎 『室生犀星に與ふ』 青空文庫
しかし自分がその隠れた欲望を実行に移すかどうかという段になると吉田は一も二もなく否定せざるを得ないのだった。
— 梶井基次郎 『のんきな患者』 青空文庫
そして何よりもまず、少し自分がその人のせいで苦しい目をしたというような場合すぐに癇癪を立てておこりつける母親の寐ている隙に、それもその人の忘れて行った煙草を――と思うとやはり吉田は一も二もなくその欲望を否定せざるを得なかった。
— 梶井基次郎 『のんきな患者』 青空文庫
しかも話の合う仲間の処に行って、三文にもならないような道徳面をして、女を見てもこれが女かといったような無頓着さを装っている柿江の野郎が、一も二もなく俺の策略にかかって、すっかり面皮を剥がれてしまったと、仲間をどっと笑わすことだろう。
— 有島武郎 『星座』 青空文庫
作例 · 標準
例句1
例句2
例句3
例句4