暮々
暮々
名詞
標準
文例 · 用例
失礼な起しましょうと口々に騒ぐを制して、朝餉も別間において認め、お前さん方が何も恐がる程の事はないのだから、大勢側に附いて看病をしておやんなさいと、暮々も申し残して後髪を引かれながら。
— 泉鏡花 『湯女の魂』 青空文庫
日暮々々に水そゝげば此草とりつく便あるに任せて蔓をのばし、はや六月の初め、ひと花咲きそめて白きひを洗ひ捨てゝ四方山を見るに、さりとは口惜しや一銭つかはで是ほど面白く風情ありしことを知らず、もたれたる遊びに金銭を費して無益の年月を送りけるよと、今ぞ心のほこりを掃ひける。
— 幸田露伴 『花のいろ/\』 青空文庫
江海は朝々に其の陽發快活の光景を示し、暮々に其の陰鬱凄凉の光景を示して居るのである。
— 幸田露伴 『努力論』 青空文庫
江海は朝々にその明るく快活な光景を示し、暮々にその陰鬱で凄凉な光景を示しているのである。
— 幸田露伴 『努力論(現代訳)』 青空文庫
儒者は己れを知る者なきを憂い、書生は己れを助くる者なきを憂い、役人は立身の手がかりなきを憂い、町人は商売の繁盛せざるを憂い、廃藩の士族は活計の路なきを憂い、非役の華族は己れを敬する者なきを憂い、朝々暮々憂いありて楽あることなし。
— 福沢諭吉 『学問のすすめ』 青空文庫
松蔭大藏の家来有助は姿を変え、谷中あたりの職人|体に扮え、印半纏を着まして、日の暮々に屋敷へ入込んで、灯火の点かん前にお稲荷様の傍に設けた囃子屋台の下に隠れている内に、段々日が暮れましたから、町の者は亥刻になると屋敷内へ入れんように致します。
— 三遊亭圓朝 『菊模様皿山奇談』 青空文庫
よく気をつけてくれまするから、台所で職人がどん/\這入って御膳を食べ、香の物がないといって、襷を掛けて日の暮々にお園が物置へ香の物を出しにゆきました。
— 三遊亭圓朝 『真景累ヶ淵』 青空文庫
翌日になり漸く七所借をして百両|纒めて、日の暮々に大伴蟠龍軒の中の口から案内もなしで通りましたが、前と違い門弟|衆も待遇が違う。
— 三遊亭圓朝 『業平文治漂流奇談』 青空文庫