秘裡
ひり
名詞
標準
文例 · 用例
尼になってもこんな美しい人は決して愛人にして悪感の起こるものではあるまい、かえって心が強く惹かれることになるであろう、極秘裡にやはりあの人を自分のものにしようと、こんなことを心にきめた中将は、こちらの尼君の座敷に来て、気を入れて話をしていた。
— 手習 『源氏物語』 青空文庫
ところが極秘裡の開発となったために、外部を巻き込んだテストをかけることができなかった。
— 富田倫生 『パソコン創世記』 青空文庫
これを本紙の記事によって知った警察当局では、極秘裡に彼女の所在を厳探中であったが、あくまでも大胆不敵なお玉は、その中を潜って西村と関係を結んだらしく、すっかり西村を丸め込んでしまった揚句、二人で自動車に同乗して、贋の母親を嘲弄しに行ったのが一昨日曜の午前中の事であったという。
— 夢野久作 『いなか、の、じけん』 青空文庫
銃声に愕いて駈付けた守衛のため極秘裡に直ちに市内某区の○○病院に搬び込まれたが危篤である。
— 海野十三 『深夜の市長』 青空文庫
殊に博士が所長を勤める研究所にあっては、所外不出ではあるが極秘裡に、数々の恐ろしい実験がくりかえされていた。
— 海野十三 『国際殺人団の崩壊』 青空文庫
彼は、極秘裡にこの三事件を並べて検討した。
— 烏啼天駆シリーズ・5 『すり替え怪画』 青空文庫
そこで教授は、極秘裡に白亜館官房を訪問して大統領に面会を求めた。
— 海野十三(丘丘十郎) 『地球発狂事件』 青空文庫
早い話が、原子爆弾にしても、米国ではトルーマン声明によれば、十万人の人間がただ一つの集団的研究機関となって、極秘裡に研究していたのである。
— ――個人的なものから集団的なものへ―― 『歴史の流れの中の図書館』 青空文庫