上背
うわぜい
名詞
標準
stature
文例 · 用例
銀子は撫で肩の肩が少し厚ぼったく、上背もなかったが顔は彼女の型なりに完成美に近く、目も美しく、鼻も覗き気味で尋常であった。
— 徳田秋声 『縮図』 青空文庫
」「う、」 と唸って、足をばたばたと※く状を、苦笑いで、睨めつけながら、手繰って手元へドン、と引くと、凧かと見えて面くらう、自分よりは上背も幅もあるのを、糸目を取って絞った形。
— 泉鏡花 『式部小路』 青空文庫
背丈なら凡そ五尺六寸、上背のあるその長身に、蝋色鞘の長い奴をずっと落して差して、身分を包むためからか、面は宗十郎頭巾に深々とかくしながら、黒羽二重を着流しの、素足に意気な雪駄ばきというりりしい姿です。
— 旗本退屈男 『旗本退屈男 第一話』 青空文庫
彼女の博士論文から引出された論によると、女学生の体格は統計上背が高くすらりとしたタイプであり、女工たちの体はずんぐりで低く、四肢が短い。
— 宮本百合子 『花のたより』 青空文庫
いつも、中腰になって上背をよじるようにして手早く縒り合わせていく。
— 矢田津世子 『※女抄録』 青空文庫
艇を借りるとき、世話を焼いてくれた、親切な南加大学の補欠漕手の上背も、六尺八寸はあり、驚かされたことでした。
— 田中英光 『オリンポスの果実』 青空文庫
「荒木だ」 少し、蒼白めた顔をして、上背のある荒木が、長い、厚い刀を構えていた。
— 直木三十五 『寛永武道鑑』 青空文庫
やさしくて、ほがらかな聲だつたが、濡雜巾を手にして立上つた姿は、たつぷり上背もある肥大なものだつた。
— 水上滝太郎 『大阪の宿』 青空文庫