横枝
よこえ
名詞
標準
文例 · 用例
窓を切った松の樹の横枝へ、お君の顔と正面に、山を背負って、むずと掴まった、大きな鳥の翼があった。
— 泉鏡花 『縁結び』 青空文庫
アメリカの森林樹のなかでもっとも荘厳なゆりの木、つまり Liriodendron Tulipiferum(訳注「ゆりの木」の学名)は、若木のときには、幹が奇妙になめらかで、横枝を出さずにしばしば非常な高さにまで生長する。
— THE GOLD-BUG 『黄金虫』 青空文庫
横枝の拡がりはせいぜい十米ほどでありますが、高さはその三倍ちかくもあって、巨大な幹がすっくと伸びきり、梢近く朽ち折れて、空洞を幾つか拵えています。
— ――近代説話―― 『古木』 青空文庫
たいへん古い木とみえて、上の方は枯れ朽ち、横枝を少しく茂らしている。
— 豊島与志雄 『小さき花にも』 青空文庫
王建の鞦韆詞には嫋嫋横枝高百尺とある。
— 原勝郎 『鞦韆考』 青空文庫
子供でものぼっているのかと思ったら、いつかのオランウータンが横枝にとまって、ヒラヒラ動く枯葉を、ギリシャの賢人のような顔で眺めていた。
— 久生十蘭 『蝶の絵』 青空文庫
あぶなくすべり落ちそうになったところを、蹴はなして、ザワザワと横枝へはいだした。
— 吉川英治 『神州天馬侠』 青空文庫
バリバリというと蛾次郎は、幹をはってその横枝へうつっていた。
— 吉川英治 『神州天馬侠』 青空文庫