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松の緑

まつのみどり
名詞
1
標準
pine sprout
文例 · 用例
それから暫らくのこと、私の勤務先は、日本橋の三越デパートメントの裏で、日本銀行と向いあったところだが、その建物の中で私たちが占めている室からは、太田道灌以来の名城を、松の緑の間に、仰ぎ見られるので、はじめて松樹国の日本に落ちついた気がした。
小島烏水 不尽の高根 青空文庫
砂山に生え交る、茅、芒はやがて散り、はた年ごとに枯れ果てても、千代万代の末かけて、巌は松の緑にして、霜にも色は変えないのである。
泉鏡花 海異記 青空文庫
静かな、しかし影の多いやうな日で、松の緑葉の堆積が一層冴えた凉しい気分を四辺に漲らせた。
田山録弥 百日紅 青空文庫
松の緑と朱塗の門が互いに照り合ってみごとに見える。
夏目漱石 夢十夜 青空文庫
2 石高はわずか三万石の小藩ではありましたが、さすがは天下の執権松平伊豆守の居城だけあって、とわに栄える松の緑は夜目にもそれと青み、水は満々と外濠内濠の兵備の深さを示して、下馬門、二の門、内の門と見付け見付けの張り番もきびしく、内外ともに水ももらさぬ厳重な警備でした。
血染めの手形 右門捕物帖 青空文庫
四 植木屋 植木屋の忰が松の緑を摘みに来た。
岡本綺堂 二階から 青空文庫
一般に日本人が青いといへば何となく松の緑のやうなくすんだ色を思出すのであるが、こゝに言ふ青い色とはそんなものではない、さういふ海の色を見て、成程天地の間にはかういふ美しい青い色があつたかと、青といふ色彩を改めて感じ直すのだ。
海野十三(佐野昌一) 南太平洋科學風土記 青空文庫
台湾から帰途船が瀬戸内海にはいると松の緑など目が覚めるようで、日本はこんなに美しい国だつたのかと驚いた。
伊丹万作 私の活動写真傍観史 青空文庫
作例 · 標準
新しい年を迎え、門松には美しい松の緑が飾られていた。
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雪化粧した庭園で、松の緑だけが鮮やかに映えていた。
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厳しい冬を乗り越え、松の緑が一段と力強く感じられる。
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