幻辞.com

残欠

ざんけつ
名詞
1
標準
fragment (e.g. of works)
文例 · 用例
そしてわたくしは撰者不詳の墓誌の残欠に、京水が刺ってあるのを見ては、忌憚なきの甚だしきだと感じ、晋が養父の賞美の語を記して、一の抑損の句をも著けぬのを見ては、簡傲もまた甚だしいと感ずることを禁じ得ない。
森鴎外 渋江抽斎 青空文庫
エジプトの古彫刻とて高が五十世紀の年月を経たに過ぎず、ギリシャ、ローマの古美術も大半は残欠であり、天地の悠久に比べて斯の如きものを永遠と称するのは大に甘い気休めではないか。
高村光太郎 永遠の感覚 青空文庫
恵美須屋さんまた伊藤君と双璧ともいうべき熱心な金沢通で、ことに丹彩の技に長じて、神社の宝物その他を一々絵にあらわした帖を作られたり、伊藤君と謀って『後三年絵巻』の残欠を補うべく、研究考証の末に補遺十数巻を描いておられる。
喜田貞吉 春雪の出羽路の三日 青空文庫
即日、鍛冶橋監獄の未決監に繋がれることになッたが、第一回公判で高木が精神鑑定の請求をした結果、残欠治癒と鑑定され、十月一日、第二回の公判廷で、責任無能者の故をもって無罪放免の宣告を受け、同三日、出獄した。
久生十蘭 湖畔 青空文庫
村の童にしるべせられて行けば、竹藪の中に柵もてめぐらしたる一坪|許りの地あれど、石碑の残欠だに見えず。
高浜虚子 俳句はかく解しかく味う 青空文庫
それは般若心経かなにかを書いた残欠本の仮表装でありました。
不破の関の巻 大菩薩峠 青空文庫
「いかがでございます――これは珍品でございます」「ふーん」 神尾主膳は、それでも一通り右の心経の残欠本――伝弘法大師筆と称うるところのものに目をくれていました。
不破の関の巻 大菩薩峠 青空文庫
たしかに初唐――と主膳の鑑識のあやまたなかった点は感心でありましたが、なにしろ右の拓本といえども完本というわけではなく、残欠を多数の中から漁って来たのですから、風格は確かに初唐であっても、筆者は何の誰人であって、文章は何をうつしているのかという点には甚だ不明瞭の思いを以て、買いは買って来たのです。
不破の関の巻 大菩薩峠 青空文庫
作例 · 標準
古代の土器の残欠から、当時の生活様式を垣間見ることができる。
幻辭AI · gemini-2.5-flash-lite
焼失した図書館から、貴重な文献の残欠だけが奇跡的に回収された。
幻辭AI · gemini-2.5-flash-lite
「この資料、一部しか残ってないけど、残欠だけでも貴重だよ。」
幻辭AI · gemini-2.5-flash-lite