平らか
たいらか
形容動詞名詞
標準
level
文例 · 用例
夫人の胸中も自ずから平らかなるを得たようである。
— 寺田寅彦 『ゴルフ随行記』 青空文庫
二人が靴で踏み荒した雪の上へ新しい雪は地ならしをしたように平らかに降った。
— 黒島傳治 『雪のシベリア』 青空文庫
大阪から例の瀬戸内通いの汽船に乗って春海波平らかな内海を航するのであるが、ほとんど一昔も前の事であるから、僕もその時の乗合の客がどんな人であったやら、船長がどんな男であったやら、茶菓を運ぶボーイの顔がどんなであったやら、そんなことは少しも憶えていない。
— 国木田独歩 『忘れえぬ人々』 青空文庫
雲のわざ 雲のするわざも多きが中に、いとおもしろきは、冬の日の朝早く、平らかにわたれる雲の、谷を籠め麓を蓋ひて、世の何物をも山の上の人には見せぬことなり。
— 幸田露伴 『雲のいろ/\』 青空文庫
「ええ、平らです、けれどもここの平らかさはけわしさに対する平らさです。
— 宮澤賢治 『マグノリアの木』 青空文庫
かれが沸騰せし心の海、今は春の霞める波平らかに貴嬢はただ愛らしき、あわれなる少女富子の姿となりてこれに映れるのみ。
— 国木田独歩 『おとずれ』 青空文庫
凡そ東京近くにて青鼠頭魚といふものは、春の末夏の初頃より数十日の間、内海の底浅く沙平らかなる地にて漁るものの釣に上るものを指して称へ、また白鼠頭魚とは青鼠頭魚の漁期より一ト月も後れて釣れ初むるものをいふ。
— 幸田露伴 『鼠頭魚釣り』 青空文庫
吾が心の平衡が保てぬというほどでは無いが、硬粥が煮えるときにブツブツと小さな泡が立っては消え、消えては復立つというような、取留めのない平らかならぬものが腹中に間断なく起滅するのを免れなかったことだったろう。
— 幸田露伴 『連環記』 青空文庫
作例 · 標準
工事車両が入りやすいように、荒れ果てた土地を重機で平らかに整地していく。
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「平らかな世の中になることを願って、この寺には平和の鐘が奉納されたんだよ」
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湖の表面が平らかな朝には、対岸の山々が水面に逆さまに映り込んで逆さ富士が見える。
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