持ち筒
もちづつ
名詞
標準
文例 · 用例
――はあ、日本画の方の受持ち筒井春江先生やのんで、常時お越しになる訳やのうて、ときどきやって来られて、何処が悪いやとか此処をこないせえやとかいわれますのんで、常は生徒たちが勝手にモデル見て画いてますねん。
— 谷崎潤一郎 『卍(まんじ)』 青空文庫
すると己の跡目を相続するものがないので、御持筒組同心の次男で小三郎と云う十三になる少年を養子にした。
— 田中貢太郎 『四谷怪談』 青空文庫
小普請組支配の廃止、火付け盗賊改めの廃止、中奥御小姓同御番の廃止、御持筒頭の廃止、御先手御留守番と西丸御裏御門番と頭火消役四組との廃止なぞも、またその結果だ。
— 第一部下 『夜明け前』 青空文庫
それから今いった十五人組以下の無格、持筒、足軽、仲間の四段の卒は凡て暇を出した。
— 内藤鳴雪 『鳴雪自叙伝』 青空文庫
時の御持筒役頭は千八百石|長坂丹後守信次、曾て慶元再度の戦いに、長坂血槍九郎と名乗って、旗本変名組に勇名を馳せた、戦場万馬往来の古武夫です。
— 野村胡堂 『江戸の火術』 青空文庫
二た月後に迫った晴れの御前試合に、首尾よく五貫目玉五十丁撃に成功すれば、井上家は元の一千石に取立てられ、次第によっては、幕府の大筒を預って、御持筒頭の栄位を贏ち獲ないものとも限りません。
— 野村胡堂 『江戸の火術』 青空文庫
違犯第一にあげられたのは、その年の春さき、持筒頭の水野藤右衛門の配下が、門に集まった鳩を礫で落したという科を問われ、藤右衛門は免職、与力同心はみな蟄居させられた。
— 吉川英治 『大岡越前』 青空文庫
幕府の持筒頭、水野|藤右衛門なる者が、配下の与力同心と共に、遠島、蟄居を命ぜられ、御膳番の天野なにがしは、切腹。
— 吉川英治 『新編忠臣蔵』 青空文庫