日がな
ひがな
名詞
標準
文例 · 用例
コクトオは氣がちがひさうになつて日がな一日オピアムばかりやつてるさうだし、ヴアレリイは十年間、唖者になつた。
— 太宰治 『ダス・ゲマイネ』 青空文庫
私なぞも物心地が附いてからは、日がな一日、婆様の老松やら浅間やらの咽び泣くような哀調のなかにうっとりしているときがままございました程で、世間様から隠居芸者とはやされ、婆様御自身もそれをお耳にしては美しくお笑いになって居られたようでございました。
— 太宰治 『葉』 青空文庫
コクトオは気がちがいそうになって日がな一日オピアムばかりやってるそうだし、ヴァレリイは十年間、唖者になった。
— 太宰治 『ダス・ゲマイネ』 青空文庫
此莊園でラクダルはゴロリと轉がつたまゝ身動もろくに爲ず、手足をダラリ伸したまゝ一言も口を開かず、たゞ茫乎と日がな一日、年から年中、時を送つて居るのである。
— 国木田独歩 『怠惰屋の弟子入り』 青空文庫
親の代からの印刷業で、日がな一日油とインキに染って、こつこつ活字を拾うことだけを仕事にして、ミルクホール一軒覗きもしなかった。
— 織田作之助 『雪の夜』 青空文庫
十六日からは彼岸になって、その日は吉日でもあったから、この近くにこれ以上の日がないとも暦の博士からの報告もあって、玉鬘の裳着の日を源氏はそれに決めて、玉鬘へは大臣に知らせた話もして、その式についての心得も教えた。
— 行幸 『源氏物語』 青空文庫
ただ皆が揃ふといふ日がなかなか……。
— 島木健作 『續生活の探求』 青空文庫
水夫が、輪切りにした椰子の実でよごれた甲板を単調にごし/\ごし/\とこする音が、時というものをゆるゆるすり減らすやすりのように日がな日ねもす聞こえていた。
— 有島武郎 『或る女』 青空文庫