裸一貫
はだかいっかん
名詞
標準
having nothing except one's body
文例 · 用例
知っては居たがそれが何うなるものかお前、イフヒムは見た通りの裸一貫だろう。
— 有島武郎 『かんかん虫』 青空文庫
未醒子の漫画では、吾輩群を抜いて一着のように描いてあるが、その実津川子と同着、シカモ吾輩は裸一貫、津川子には重い荷物のハンデキャップが付いている。
— 押川春浪 『本州横断 癇癪徒歩旅行』 青空文庫
もともと金使いが荒かったところへ、商売の呉服物が統制にひっ掛り、だんだんひっそくして来た矢先き、大阪の空襲で店も家も商品も焼かれて、裸一貫になってしまった。
— 織田作之助 『それでも私は行く』 青空文庫
父親は資金の金は騙し取られ、掠め取られて裸一貫にはなったものゝ、生来、物にめげない気象が役立って、西海岸の日本人間で多少は口利きの顔役になりかけていた。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
芝居ならば裸一貫であるべき漁師が、大臣と同じ袴を穿いたり、キチガイの乞食女が宮女と同様のキモノを着ていたり、そうかと思うと大昔の軍人と、中昔の軍人とが同じ扮装であったりするので、話だけ聞くと嘘のようであるが、それでいて表現能率は充分に上って行く。
— 夢野久作 『能とは何か』 青空文庫
殊に貧民に対しては異常な同感を払って、もし人間から学問技芸等のお化粧を奪って裸一貫の露出しとしたなら、貧乏人の人格の方が遥かに高等社会に勝っていると常にいっていた。
— 内田魯庵 『二葉亭四迷の一生』 青空文庫
「戦争が済みさへすれば、俺だつて腰を伸すぞ、裸一貫になつて踏み応えるんだ。
— 牧野信一 『サクラの花びら』 青空文庫
田舎素封家の漫画的鈍重さ、若い軽やかな妻の無内容な怠惰さ、そして職業婦人が或る皮肉をもって裸一貫であることを作者は諷刺しようとしたのかも知れないということは分るけれども、例えば職業婦人がその性格を発揮するのは職場での仕事においてであると思う。
— 宮本百合子 『帝展を観ての感想』 青空文庫
作例 · 標準
彼は裸一貫から会社を立ち上げ、成功を収めた。
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若い頃、裸一貫で都会に出て、必死に働いた。
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祖父は裸一貫でこの地に移り住み、家族を築いたという。
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