山田
やまだ
名詞
標準
文例 · 用例
此夜も山田屋に宿る。
— 伊藤左千夫 『滝見の旅』 青空文庫
同志諸君の貴重なる生命が、腐敗した罐詰の内部に、死を待つために故意に幽閉されてあるという事実に対して、山田常夫君と、波田きし子女史とは所長に只今交渉中である。
— 葉山嘉樹 『牢獄の半日』 青空文庫
ブリキ屋の山田君と、嬶と、子供とが来ていた。
— 葉山嘉樹 『牢獄の半日』 青空文庫
」うしろむきのペリカンを紙面の隅に大きく寫しながら、「馬場がむかし、瀧廉太郎といふ匿名で荒城の月といふ曲を作つて、その一切の權利を山田耕筰に三千圓で賣りつけた。
— 太宰治 『ダス・ゲマイネ』 青空文庫
」「母様が出掛けるんで、跡を追うですから、乳母が連れて、日曜だから山田(玄関の書生の名)もついて遊びです。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
南無三膝を立直し、立ちもやらず坐りも果てで、魂宙に浮く処に、沈んで聞こゆる婦人の声、「山田山田」と我が名を呼ぶ、※呀と頭を掉傾け、聞けば聞くほど判然と疑も無き我が名の山田「山田山田」と呼立つるが、囁く如く近くなり、叫ぶが如くまた遠くなる、南無阿弥陀仏コハ堪らじ。
— 泉鏡花 『妖怪年代記』 青空文庫
彼の時藪の中から引摺出して押入の中へ入れて置くと、死ぬ様な声を出して泣くもんだから――何時だつけ、むゝ俺が誕生の晩だ――山田に何が泣いてるのだと問はれて冷汗を掻いたぞ。
— 泉鏡花 『妖怪年代記』 青空文庫
貴様が法外な白痴だから己に妹があると謂ふことは人に秘して居る位、山田の知らないのも道理だが、これ/\で意見をするとは恥かしくつて言はれもしない。
— 泉鏡花 『妖怪年代記』 青空文庫