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譫妄

せんもう
名詞
1
標準
文例 · 用例
「恐らく最後の一人までも殺されてしまうでしょう」 法水は驚いて、しばらく相手の顔を瞶めていたが、「いや、少なくとも三つの事件までは……」と鎮子の言を譫妄のような調子で云い直してから、「そうすると久我さん、貴女はまだ、昨夜の神意審問の記憶に酔っているのですね」「あれは一つの証詞にすぎません。
小栗虫太郎 黒死館殺人事件 青空文庫
結核患者の血液の中には、脳に譫妄を起すものを含めり――って」「ああ、いつまでも貴方は……」といったん鎮子は呆れて叫んだが、すぐに毅然となって、「それでは、これを……。
小栗虫太郎 黒死館殺人事件 青空文庫
結局この神秘的な事件が、そこまで辿り着いて行きそうな気がするだけだけどもね」とそれなりで検事は、彼の譫妄めいたものを口には出さなかったけれども、それには背後から追い迫って来る、悪夢のような不思議な力が潜んでいた。
小栗虫太郎 黒死館殺人事件 青空文庫
震顫性譫妄症に罹っていたので真夏でも外套を着ており、洋紅色の顔色をしていた。
WALDEN, OR LIFE IN THE WOODS 森の生活――ウォールデン―― 青空文庫
航海中、一時、快方に向いたが、印度洋の暑気にやられて譫妄状態に陥り、横浜入港と同時に、手足を縛って脳病院に送り込むという狂人同様の取扱いを受けた。
久生十蘭 湖畔 青空文庫
酒精の中毒によつて震戦性譫妄症に罹り、煙草の中毒によつて視力を鈍衰することは世人の知る如くであるが、更に恐るべきは子孫の体質を害することである。
丘浅次郎 人類の将来 青空文庫
すっかり熱にうかされてしまって、譫妄状態に近いようなようすになり、空な視線をあてどもなく漂わせながら、のろのろした声で、切れぎれにつぶやきつづけるのだった。
キャラコさん 青空文庫
第七章 この時点を最後に、私の印象はおよそ信憑性を欠くものとなる――そう、いまだに私は最後の、絶望的な希望を抱いているのだ、これらの印象全てが譫妄状態が生んだある種の悪魔的な夢ないし幻覚の一部分を形作るものだという。
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft 時間からの影 青空文庫