様物
さまもの
名詞
標準
文例 · 用例
すなわち人間の本来の動作をなしていたことが、当時の絵画や模様物で推察することが出来る。
— 岡本かの子 『仏教人生読本』 青空文庫
色のドス黒い、光沢の消えた顔は、何方かと云へば輪廓の正しい、醜くない方であるけれども、硝子玉の様にギラギラ悪光りのする大きい眼と、キリリと結ばれる事のない唇とが、顔全体の調和を破つて、初めて逢つた時は前科者ぢやないかと思つたと主筆の云つた如く、何様物凄く不気味に見える。
— 石川啄木 『病院の窓』 青空文庫
『まあ、近頃の瀬川君の様子を見るのに、非常に沈んで居る――何か斯う深く考へて居る――新しい時代といふものは彼様物を考へさせるんでせうか。
— 島崎藤村 『破戒』 青空文庫
予ガ隣室ニ監禁セラレタル予ノ案内人ノ室ノ更ニ隣室ニシテ、同様物置ナル所ヘ一時|抛ゲ入レラレタルヲ知リタリ。
— 海野十三 『壊れたバリコン』 青空文庫
爾来閻魔様物解りがよく、文士の亡者が来る毎に「ナニ文士だ、途方もねえ奴だ。
— 国枝史郎 『御存与太話』 青空文庫
されど支那商人の来りて真鍮の器並べて商ふ、それはまだよし、孔雀の色に何時も変らぬ紺青、青竹色のこちたき色を交へし絹の模様物を左右より見せ附けられ候が苦苦しく候ひき。
— 與謝野寛、與謝野晶子 『巴里より』 青空文庫
これも運転手君同様物を言わぬが車輪にハッキリ証拠がある。
— その十二 愚妖 『明治開化 安吾捕物』 青空文庫
後からつづいて停車した電車の車掌までが加勢に出かけて、往来際には直様物見高い見物人が寄り集った。
— 永井荷風 『深川の唄』 青空文庫