惨毒
むごどく
名詞
標準
文例 · 用例
そうした血も涙も無い惨毒そのもののような社会の思潮に、在来の仁義道徳『正直の頭に神宿る』式のイデオロギーで対抗して行こうとするのは、西洋流の化学薬品に漢法の振出し薬を以て対抗して行くようなものだ。
— 夢野久作 『近世快人伝』 青空文庫
その無敵の唯物功利道徳に対して、それ以上の権謀術数と、それ以上の惨毒な怪線を放射して、その惨毒を克服して行けるものは天下に俺一人しか居ない筈だ。
— 夢野久作 『近世快人伝』 青空文庫
この日本を救い、この東洋を白禍の惨毒から救い出すためには、渺たる杉山家の一軒ぐらい潰すのは当然の代償と覚悟しなければなりませぬ。
— 夢野久作 『父杉山茂丸を語る』 青空文庫
売奴法の当否を疑いて天下後世に惨毒の源を絶えたる者は、トーマス・クラレクソンなり。
— 福沢諭吉 『学問のすすめ』 青空文庫
苛刻ノ法令ヲ出ス毎ニ、余輩、言ヲ卑フシ謹テ願訴シタレドモ嘗テ之ヲ聴カズ、随テ願訴スレバ随テ之ニ報ユルニ惨毒ヲ以テシ、一令出ル毎ニ其暴政タルヲ証スルニ足レリ。
— 福沢諭吉訳 『アメリカ独立宣言』 青空文庫
およそ古今の革命には必ず非常の惨毒を流すの常にして、豊臣氏の末路のごとき人をして酸鼻に堪えざらしむるものあり。
— 瘠我慢の説に対する評論について 『瘠我慢の説』 青空文庫
〔善意の圧迫〕 そこで我輩の考えるのに、戦いの人類に惨毒を流すことは、ほとんど我輩の口を藉って述ぶるの必要がないのである。
— 大隈重信 『平和事業の将来』 青空文庫
それで今日までやって来たが、やり方が悪かったから、一たび破裂すると非常なる惨毒を流して、戦乱は何時まで続くか分らぬが、この教訓に依って、人類がいわゆる罪悪を自覚して、ここに初めて平和の端を開くのである。
— 大隈重信 『大戦乱後の国際平和』 青空文庫