贈り名
おくりな
名詞
標準
posthumous name
文例 · 用例
余は其風情ある後姿を見おくりながらかういふ閑寂の境地に豆や稗を作つて居る百姓は幸であると思つた。
— 長塚節 『松蟲草』 青空文庫
サン・マリノのその古井戸は、日本の古井戸のようにはしごで人がなかへ降りてゆくことはできなかったとみえて、三十六メートルの底におちたケティのために、新鮮な空気をおくりながら、古井戸に沿って三日間タテ穴をほりつづけた。
— 宮本百合子 『鬼畜の言葉』 青空文庫
夫を御こしなされ度、兄さんまでひきやくに御おくりなされ度候。
— 慶応元年九月か 坂本乙女あて 『手紙』 青空文庫
私は平野も湖も見飽きましたと、友達に書きおくりながら、何故か湖を追つて歩いてゐるやうだ。
— ――北海道の旅より―― 『摩周湖紀行』 青空文庫
立場の違う苦しみに、互に、弄り殺しのような日をおくりながら、二人の相愛の気持ちは日々に深まっていったのだった。
— 長谷川時雨 『遠藤(岩野)清子』 青空文庫
「じゃ、きみあがれ」「いや、おれもかえるんだ」 三吉はそういったが、長野が垣ねから上被をとって肩にひっかけ、「なんだ女一匹、しっかりしろや」 と三吉の肩をたたいてから、上機嫌ででてゆくのをみおくりながら、やはりたちそびれていた。
— 徳永直 『白い道』 青空文庫
顎十郎は、その後を見おくりながらニヤリと笑い、「こうしておけばまず大丈夫。
— 菊香水 『顎十郎捕物帳』 青空文庫
次郎は大山のうしろ姿を見おくりながら、すまないというよりか、むしろ、うらやましいという気でいっぱいだった。
— 第四部 『次郎物語』 青空文庫
作例 · 標準
例句