憑
憑
名詞
標準
文例 · 用例
西洋人のは、室町末期に日本に来た宣教師の作ったもので、日本語について十分の観察をして当時の標準的音韻を葡萄牙式のローマ字綴で写したものであるから、信憑するに足り、且つ各音の性質も大概明らかであって、当時の音韻状態を知るべき絶好の資料である。
— 橋本進吉 『国語音韻の変遷』 青空文庫
このあはれな野獸のやうにふしぎな宿命の恐怖に憑かれたものどもその胃袋は野菜でみたされ くもつた神經に暈がかかる。
— 萩原朔太郎 『蝶を夢む』 青空文庫
多くの人人が、たれも經驗するところの、あの苛苛した執念の焦燥が、その時以來憑きまとつて、絶えず私を苦しくした。
— 萩原朔太郎 『宿命』 青空文庫
その憑き物のやうな言葉は、いつも私の耳元で囁いて居た。
— 萩原朔太郎 『宿命』 青空文庫
だがしかし、私が友の家を跳び出した時、ふいに全く思ひがけなく、その憑き物のやうな言葉の意味が、急に明るく、靈感のやうに閃めいた。
— 萩原朔太郎 『宿命』 青空文庫
どんな高僧智識の説教も、はたまたどんな科學や哲學の實證も、かかる妄執の鬼に取り憑かれた、怨靈の人を調伏することはできないだらう。
— 萩原朔太郎 『宿命』 青空文庫
あのニイチエを憑き殺した此の幽靈の青ざめた姿を見るか。
— 萩原朔太郎 『散文詩・詩的散文』 青空文庫
多くの人人が、たれも経験するところの、あの苛苛した執念の焦燥が、その時以来|憑きまとつて、絶えず私を苦しくした。
— 萩原朔太郎 『散文詩集『田舎の時計 他十二篇』』 青空文庫