買戻
かいもどし
名詞
標準
文例 · 用例
「私が学校で要る教科書が買えなかったので、親仁が思切って、阿母の記念の錦絵を、古本屋に売ったのを、平さんが買戻して、蔵っといてくれた。
— 泉鏡花 『国貞えがく』 青空文庫
先方の買直がぎりぎりの処なら買戻すとする。
— 泉鏡花 『国貞えがく』 青空文庫
で、この平さんが、古本屋の店へ居直って、そして買戻してくれた錦絵である。
— 泉鏡花 『国貞えがく』 青空文庫
第三は此遺言録で、京水が自ら板木買戻の事を記したものである。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
其時榛軒が金を武田氏に与へて請ひ受け、他日買戻を許すと云ふ条件を附して置いたのである。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
半江のその画は、重太郎氏が数ある蔵幅のなかでも一番好いてゐただけに、松蔵氏は何とかして買戻さねば承知出来なくなつた。
— 大正六(一九一七)年 『茶話』 青空文庫
そんな折には、和尚は定つたやうに自分でそれを買戻して、一々残らず引き裂いて捨ててしまふ事にしてある。
— 大正六(一九一七)年 『茶話』 青空文庫
丁度彼女が帰って行った日は、公売処分の当日であったこと、ある知人に頼んで必要な家具は買戻して貰ったこと――執達吏――高利貸――古道具屋――その他生活のみじめさを思わせるような言葉がこの娘の口から出た。
— 島崎藤村 『家(下巻)』 青空文庫