むく
むく
副詞
標準
文例 · 用例
また、「キ、ヒ、ミ」も「月」が「月夜」となり、「火」が「火中」となり、「神」が「神風」となり、「身」が「むくろ」(骸)となり、「木」が「木立」になります。
— 橋本進吉 『古代国語の音韻に就いて』 青空文庫
いかならん影をもとめてみぞれふる日にもわれは東京を戀しと思ひしにそこの裏町の壁にさむくもたれてゐるこのひとのごとき乞食はなにの夢を夢みて居るのか。
— 萩原朔太郎 『青猫』 青空文庫
そのうへ帆船には綿が積まれてそれが沖の方でむくむくと考へこんでゐるではないか。
— 萩原朔太郎 『青猫』 青空文庫
さびしい來歴むくむくと肥えふとつて白くくびれてゐるふしぎな球形の幻像よそれは耳もない 顏もない つるつるとして空にのぼる野蔦のやうだ夏雲よ なんたるとりとめのない寂しさだらうどこにこれといふ信仰もなく たよりに思ふ戀人もありはしない。
— 萩原朔太郎 『青猫』 青空文庫
(とりとめもない夢の氣分とその抒情)春宵嫋めかしくも媚ある風情をしつとりとした襦袢につつむくびれたごむの 跳ねかへす若い肉體をこんなに近く抱いてるうれしさあなたの胸は鼓動にたかまりその手足は肌にふれほのかにつめたく やさしい感觸の匂ひをつたふ。
— 萩原朔太郎 『青猫』 青空文庫
荷主よ水先案内よいまおそろしい嵐のまへに むくむくと盛りあがる雲を見ないか妖魔のあれ狂ふすがたを見ないかたちまち帆柱は裂きくだかれするどく笛のさけばれさうして船腹の浮きあがる青じろい死魚を見る。
— 萩原朔太郎 『蝶を夢む』 青空文庫
さびしい來歴むくむくと肥えふとつて白くくびれてるふしぎな球形の幻像よ。
— 萩原朔太郎 『定本青猫』 青空文庫
傾むく地平線、上昇する地平線、落ちくる地平線。
— 萩原朔太郎 『宿命』 青空文庫