玉兎
ぎょくと
名詞
標準
moon
文例 · 用例
特にこの辺りは川幅も濶くかつ差し潮の力も利けば、大潮の満ち来る勢に河も膨るゝかと見ゆる折柄、潮に乗りて輾り出づる玉兎のいと大にして光り花やかなるを瞻る、心もおのづから開くやう覚えて快し。
— 幸田露伴 『水の東京』 青空文庫
」「そこが縁起じゃ、禁厭とも言うのじゃよ、金烏玉兎と聞くは――この赫々とした日輪の中には三脚の鴉が棲むと言うげな、日中の道を照す、老人が、暗い心の補助に、烏瓜の灯は天の与えと心得る。
— 泉鏡花 『白金之絵図』 青空文庫
双六盤の事は疑無けれど、其の是あるは、月の中に玉兎のある、と同じ事、と亭主は語つた。
— 泉鏡太郎 『神鑿』 青空文庫
おもむろに庭樹を瞰めて奇句を吐かんとするものは此家の老畸人、剣を撫し時事を慨ふるものは蒼海、天を仰ぎ流星を数ふるものは我れ、この三箇一室に同臥同起して、玉兎幾度か罅け、幾度か満ちし。
— 北村透谷 『三日幻境』 青空文庫
その伯父は目下奇術師で、朝野の紳士を散々飜弄した揚句、行衛を晦ましている毒婦、雲月斎|玉兎女史とくっ付き合って、目下、銀座のどこかで素晴らしい人肉売買をやっている事を私はチャント知っている。
— 夢野久作 『冥土行進曲』 青空文庫
伯父がズット以前から雲月斎玉兎女史の隠れたる後援者であった関係から、この残忍悪辣な工作は二人の共謀の仕事と疑えば疑えたのであるが、その当時、弟はまだ幼稚かったし、感付いていたのは私一人だったから証拠らしいものは何一つ残っていない。
— 夢野久作 『冥土行進曲』 青空文庫
二階のお母さんていうのは雲月斎玉兎っていう奇麗な人だろう」「イイエ。
— 夢野久作 『冥土行進曲』 青空文庫
事務室に居るという雲月斎玉兎女史こと、本名須婆田ウノ子を逃さないためだ。
— 夢野久作 『冥土行進曲』 青空文庫
ウィキペディア曖昧さ回避
玉兎(ぎょくと) 仏教や道教の影響を受けた伝説、「月の兎」に登場する架空の生物。月に住み、臼と杵で餅をつくという。金烏と対の概念。 『簠簋内伝 金烏玉兎集』(ほきないでん きんうぎょくとしゅう)。 『神異記』に「月中に玉兎あり、杵を持ちて薬を擣く」とあり、月には仙薬が伝わっていて、その材料にする薬草を杵でつき砕いて薬を作るともある。 中国の月探査機・嫦娥3号及び4号に搭載された無人月面探査車。4号に搭載された物は「2号」の名が付いている。 玉兎(たまうさぎ) 玉兎 (舞踊) - 歌舞伎舞踊・所作事の演目。 玉兎 (土産菓子) - 新潟県西蒲原郡弥彦村の弥彦神社のウサギ型をした土産菓子。
出典: 玉兎 — ウィキペディア / CC BY-SA 4.0