酒問屋
さかどんや異読 さかどいや
名詞
標準
liquor store
文例 · 用例
以前、仲之町の声妓で、お若と云った媚かしい中年増が、新川の酒問屋に旦那が出来たため色を売るのは酷い法度の、その頃の廓には居られない義理になって場所を替えた檜物町。
— 泉鏡花 『日本橋』 青空文庫
いつでも村の御祭礼のように、遊ぶが病気でござりましたが、この春頃に、何と発心をしましたか、自分が望みで、三浦三崎のさる酒問屋へ、奉公をしたでござります。
— 泉鏡花 『草迷宮』 青空文庫
ある日、灯ともし頃に家に帰ると、家では定連の外に、見知らぬ人も二三人来て、座敷一ぱい、いろ/\の道具や品物を置き並べ、まん中に置いた台の前に立って、定連の一人の新川堀の酒問屋の息子が、向う鉢巻に片肌ぬぎで、台の上を叩きながら怒鳴っておりました。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
しかし「さあ、七銭からとお銭、飛んで十と五銭――」と弾んで、競り声を立てゝいる酒問屋の息子の手に品物が拈ねられる度びに、本能的に、きらりと光る注意の眼が品物に注がれました。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
京橋八丁堀の玉子屋|新道に住む南町奉行所の与力秋山嘉平次が新川の酒問屋の隠居をたずねた。
— 岡本綺堂 『真鬼偽鬼』 青空文庫
さて、師匠の所有の四体の観音は、その後どうなったかというに、一つは浅草の伊勢屋四郎左衛門の家(今の青地氏、昔の札差のあと)、一体はその頃有名だった酒問屋で、新川の池喜へ行きました。
— 私の守り本尊のはなし 『幕末維新懐古談』 青空文庫
間もなく私は、サイパンが私達を常連とする限り近郷近在のあらゆる酒問屋は、一切の御用を御免蒙ると由し合せてゐるといふ話を説明された。
— 牧野信一 『酒盗人』 青空文庫
時々|酒問屋の前などを御通りになると、目暗縞の着物で唐桟の前垂を三角に、小倉の帯へ挟んだ番頭さんが、菰被りの飲口をゆるめて、樽の中からわずかばかりの酒を、もったいなそうに猪口に受けて舌の先へ持って行くところを御覧になる事があるでしょう。
— 夏目漱石 『創作家の態度』 青空文庫
作例 · 標準
この地域には、昔ながらの酒問屋がいくつも残っている。
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