豊家
ほうけ
名詞
標準
文例 · 用例
大阪冬の陣と共に豊家はあの通り悲しい没落を遂げて、世に大阪城の竹流し分銅と称されてやかましかった軍用金のうち、手づかずにまるまる徳川家の手中に帰したのは、実に六百万両という巨額でした。
— 江戸に帰った退屈男 『旗本退屈男 第九話』 青空文庫
残党じゃねえが、いずれも豊家恩顧の血を引いたやつばらさ。
— 血染めの手形 『右門捕物帖』 青空文庫
そのあとで伊豆様とお打ち合わせをする、それからお城下をとびまわって、江戸を出がけのときにお奉行様からいただいた百両で役者をふたり見つけ出し、うまうまとおんふたかたに化けさせて、ようやっと豊家の残党をあのとおり根だやしにしおわせたというわけさ。
— 血染めの手形 『右門捕物帖』 青空文庫
もし、豊家に人が在って、自発的に和州郡山へでも移り、ひたすら豊家の社稷を保つことに腐心したら、今でも豊臣伯爵など云うものが残っていて、少し話が分った人だったら、大阪市の市長位には担ぎ上げられたかも知れない。
— 菊池寛 『大阪夏之陣』 青空文庫
天正十三年以来豊家の恩顧深し、石田に味方するこそ当然である。
— 菊池寛 『真田幸村』 青空文庫
幸村は、首を刎ねることは許されよ、幸村の命は豊家のために失い申さん、志なればと云った。
— 菊池寛 『真田幸村』 青空文庫
豊家恩顧の大名は代變り乍らまだ諸國に殘つて居る時なり、その上、天草騷動、由比正雪の隱謀などですつかり脅かされた幕府は、外樣大名に對して、極度に警戒して居たのも無理のないことでした。
— 城の繪圖面 『錢形平次捕物控』 青空文庫
「――――」「非道ではないか井上」「――――」「豊家を亡ぼし、無辜の民を殺し、加藤、福島、その他の大小名を取潰した、徳川家の横暴無道、眼に余ることばかり」「――――」「俺はつくづく徳川家の粟を喰む気は無くなった。
— 野村胡堂 『江戸の火術』 青空文庫